



池田慎は、カップ麺の容器など身の回りにある日用品に刺繍をしたり、浣腸薬でシャンデリアをつくったり、用途の想定を超えた使い方で、ありふれたものに新たな属性を見出す作品を制作している。
「蓬莱郷」シリーズは使い捨てされる物に、室町時代に描かれた理想郷を飛ぶ鳥を刺繍したものです。鳥の出典元は国宝の「阿須賀神社伝来古神宝類」の中の海賦裳(かいぶのも)に描かれた鳥です。
解説には「洲浜にオシドリ」とあるのですが、僕にはその様に見えず(浜辺にオシドリ?)、神仙蓬莱島を飛ぶ鳳凰の様な鳥と解釈しました(創作上の解釈に学術的正確さはそう重要ではないと思っています)。
現在の生活に昔の人が思い描いた理想郷を縫い付けた作品です。
artist:池田 慎 IKEDA Shin
title:蓬莱郷 紙袋
2022
150x170xD120mm
紙袋、刺繍糸
Paper bag, Embroidery thread
IKEDA Shin______________
1974 大阪生まれ 大阪在住
1998 大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。
近年の個展に 「美しい日々」 ( space31/神戸 2022)、うつくしい日々 ( noie.cc /東京 2022)、トロフィー (studio J /大阪 2021) 、あしたの品々×日用品の詩学もちもち(へその丘美術館/大阪 2020)、テレストリアルポップ展(西脇市岡之山美術館アトリエ/兵庫 2020)アートの扉Ⅲ 池田慎 ー あしたの品々×日用品の詩学ー(西脇市岡之山美術館/兵庫 2019)等がある。